開発事例1
ピンホールライトレンズ
「光源を隠し、空間に溶け込む」
製品概要
ピンホールライトレンズは、照射口を極限まで小さく、灯体の存在感を消すことで高い隠匿性と設置自由度を実現するために開発したライトガイドです。
2mmの照射口で車室内をはじめ、デザイン性が求められる空間での使用に最適な照明用レンズです。

特長
1. 灯体が見えない「隠す光」
照射口はわずか2mmΦ。非点灯時には灯体の存在感がほとんどなく、「見せたくない」照明ニーズに最適です。
2. 小型レンズによる高い設置自由度
レンズ本体は1円玉サイズ(15 x 15mm)の一体成形。
オーバーヘッドコンソール、ピラー、サンバイザーなど、狭小スペースにも柔軟に設置可能です。
3. スポットから拡散まで、自在な照射性
手元のスポット照明や広範囲の柔らかな照明と、空間用途に応じた照射設計が可能です。
4. 光束を制御する3層レンズ構造
ピンホールライトレンズには、3層構成の一体成形レンズを採用。
この構造により、LEDからの配光を各レンズで段階的にコントロールすることで、わずか2mmのピンホールから美しく照射します。
5. カスタマイズ対応
照射範囲や照射口径は用途に応じて設計可能。お客様の仕様に応じたカスタマイズにも対応いたします。
ピンホールレンズの光学設計
従来のマップランプ用レンズでは、LEDの配光角を制御する方法が一般的でした。
しかしこの方法では、十分な明るさの確保や配光角を制御するために照明の開口部を大きく取る必要があり、デザイン性を損ねるという課題がありました。
今回当社が開発した新技術では、LEDの光を一度集光し、その後ピンホールを通す3層構造のレンズ設計を採用。
従来は1〜2枚だったレンズを3層化することで、約2mmの小さなピンホールでも十分な照度を確保することが可能になりました。

また、レンズ枚数を3層に抑えることで、トータルの透過率を高く保ち光効率の良い設計となっています。
さらに、設計の調整により、狭角のスポット照明から広範囲に柔らかく広がる照明まで、用途に応じて柔軟に対応できます。これにより、高いデザイン性と機能性を両立した照明設計が可能となりました。
使用シーンの例
車室内照明(読み書き、空間照明)
デザイン重視の空間(ホテル、オフィス、住宅の間接照明)
家電や設備機器に組み込む内蔵照明

開発事例2
パワーウィンドウスイッチ用レンズ
一個のLEDを光源に、7箇所の照明を行う。
高度なミッションをクリア。
パワーウィンドウスイッチ周辺部品とのスペースの取り合いの関係で、レンズ周辺の部品の間を縫うような形状であること、レンズの発光部面積が小さいことが要求されました。照明範囲の面積に対し、レンズの発光面積が小さい場合、光のコントロールが難しくなります。
また、照明範囲の一部は、昇降するボタンであり、ボタン上端、下端での明るさが、同等であることが求められました。ボタンと一緒に昇降するレンズを設けて、導光するレンズから一度出た光を受ける構造にすることで、課題をクリアしました。本製品の設計は、かなり難易度が高く、光学シミュレーションソフトを駆使し、シミュレーションを何度も繰り返し、レンズの形状を作り上げていきました。
この仕様を実現したことで、部品点数、組み付け工数の削減を可能にし、同時に1個のLED使用のため、複数のLEDを使用する場合の色のばらつき問題まで解決しました。

開発事例3
USB/AUX用レンズ
自動車に搭載されているUSB端子とAUX端子部分のライトについて、光学設計を行った事例をご紹介します。
導光体やレンズの光学的な形状設計はもちろん、筐体への取付形状や、LEDの光度・色度の選定、LED配置位置まで、シミュレーションを行った結果からご提案します。

AUX製品写真


USB製品写真


シミュレーション
光学シミュレーションソフト「オプティスワークス」を用い、光線追跡、逆光線追跡、輝度分布解析などを行います。シミュレーション結果により、導光体形状を最適化します。
シミュレーションの画像【光線追跡】

シミュレーションで得た輝度分布解析結果画像

シミュレーションで得た輝度分布解析結果画像
